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斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

本職のツボを他業種から学ぶ『足ツボ理論』

理論・方法論

足ツボとは不思議なものだ。
内臓とは直接関係ない足の裏を刺激して、内臓の不調を発見し、治癒を促進させる。〝一見、関係がなさそうな場所が、実は何かのツボだったりする“、というような現象は、他にもないだろうか? たとえば仕事やビジネスにも、そのようなツボがあったら面白くはないか。実はそれがあるのだ。

10年も前だが、ある風俗コンサルタントから風俗の出店を成功させるための話を聞いた。
風俗店を出店する際は、まずはその町のTSUTAYAのアダルトコーナーを見に行くらしい。TSUTAYAは、各店舗の商品回転率などを集計して陳列する商品を選んでおり、そのため、その地域でニーズのあるアダルトジャンルが分かると言う。

たとえば、人妻ものが多く回転していれば、この地域は人妻の風俗店が流行ると読めるというわけだ。風俗店を調査せずに、TSUTAYAを調査すれば流行るお店が分かるというのは、なんとも足ツボみたいな話だと、当時の私は深く感心した。
それからというもの、この話は私の頭から離れることがなく、「今見ているものは、もしかしたら全く関係のない業種の答えになるかもしれない」と思うようになったのだ。

今ではこの考え方が身に付いており、仕事で大いに役立っている。
たとえば、私は仕事で販促物を制作するのだが、その際悩むのがデザインだ。ターゲットとなるお客が、どんなデザインや色合いを好むのかが分からない。いや、何となくは分かる。何となくは分かるのだが、どれも初めてのターゲットのため、このデザインで完璧と言える自信はなかった。正解に近いものは作れていると思うが、果たして正解かどうかが分からない。そこで足ツボ理論だ。業種に適したデザインを見極める足ツボは何かと考えた。そこで閃いたのが雑誌だ。

今どきの雑誌は本当に多種多様なものがある。どの雑誌もターゲットを定め、ターゲットに合ったコンテンツやデザインを日々調査し研究している。

私が販促物を制作する際に参考にしているのは、クライアント先のターゲットが読んでいる雑誌のデザインだ。その雑誌のデザインや色使いを参考にしつつ制作すれば、極めて正解に近いものが出来上がる。自分の想像で作るよりは断然マシなものになる。

多くのデザイナーは、自分のデザイン力を過信しており、先ほどの様に雑誌を参考にするなどという発想にはまず至らないだろう。デザイン力に自信を持つことは大切だ。だが、いくら自信があるとはいえ、日夜、ターゲットを研究している雑誌社のデザイナーたちに、初めて関わるデザイナーが敵うとは到底思えない。参考にしないというのは、過信だと私は思う。

他にもある。
私はコピーライティングの仕事をしている。文章を書く際、内容に合わせて文章構成を決める。構成パターンはいくつかあり、内容に合わせて使い分ける。ふとある時、身の周りにある『美』について書きたいと思った。しかし、私の引き出しにある文章構成では、上手く『美』を引き出して伝えることができないと気づいた。書けるには書けるが、自分の中でしっくりこないのだ。そこで足ツボ理論だ。
NHKの番組に『美の壺』がある。この映像構成を分解して、そのまま文章構成に当てはめてみた。それが以下の文章構成だ。

 

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タイトル

 

出だしの文

 

魅力1

魅力2

魅力3

 

締めの文

 

※出だしの文は、音、映像、匂いが浮かぶように書く。

※魅力を3つ書くことで、魅力が伝わる。

※締めの文は、情緒(心)に訴えるように書くと後味が良くなる。

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この映像構成を文章構成に当てはめた結果、今まで以上に美が伝わる文章が書けるようになった。
さずがは、天下のNHKが作る番組だ。どう映像を見せれば美が伝わるかを考え、構成したに違いない。実際、私がこの構成を用いて美について書いたところ、しっくりと来たのだ。さすがはNHKだ。

以上が、『足ツボ理論』の紹介と事例だ。
カンのいい人は、足ツボ理論のツボは何かに気づいたことだろう。今回はその答えをあえて書かず、読者の思考力に委ねることにする。これが分かると、この先色々と便利になる。ぜひ、じっくりと考えて答えを導き出してほしい。