セールスコピーライターが薦める!! コピーライティング書籍5選
コピーライティングには、ビジネスを変える力がある。
私はコピーライティングのお陰で人生が変わった。業績不振だった会社を一通のDMが救った。FAXDM一枚で3,000社を超える新規開拓に成功した。どれも、コピーライティングのお陰だ。
今では、それらの経験を活かして中小企業の広告物や販促物などの指導・制作を行っている。クライアントの中には、コピーを改善しただけでコンバージョンが9倍になったWEBページや、反応ゼロだったDMが1850万円を売り上げた例などもある。
そんな私がもし「コピーライティングを最短で学ぶなら」と訊かれたなら、これから紹介する書籍の名を挙げるだろう。
これから紹介する書籍は、コピーライティングを学びたい人、販促物の効果をすぐに上げたい人はぜひ読んでほしい。きっとあなたの会社の売上、もしくは、あなたの収入を増やすことになるだろう。
前置きはこの辺にしておこう。では早速、書籍を紹介する。
1、ザ・コピーライティング
「コピーライティングに関する名著は?」と問われれば、私は迷わずこう答える。「ザ・コピーライティングです」と。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングに必要なコピーライティングを学びたければ、本書を欠かすことはできない。おそらく、私以外のマーケッターやコピーライターも同じことを言うだろう。
本書は、翻訳本だ。ビジネス書の翻訳本は、脂っぽいものが多い。周りくどい言い回しをしたり、しつこく解説文を載せたり、ページの割には実の薄いものがほとんどだ。だが、この「ザ・コピーライティング」は違う。実、実、実、だらけなのである。
本書を監訳した神田昌典氏は「はじめに」でこのように述べている。
「いま、改めて読みかえしても、本書は宝の山だ。いや、今だからこそ、さらに価値が高まっていると言えるだろう。なぜなら、本書にあげられているコピーは、インターネットが普及した環境で、より効果的に使えるからである。
これは本当である。
本書には、普遍的に活用できるコピーライティングが書かれている。一見した限りでは、テクニック中心に見えるかもしれない。だが、読み進めていくうちに、テクニックではなくコピーライティングの本質が見えてくる。
私もマーケティングコンサルタントとして、クライアントの広告コピーを指導したり、制作したりする機会があるが、そんな私から見ても、本書は類稀な名著と言える。
全18章、ページ数426。
これだけの分量を使って、コピーライティングの本質を余すことなく説いている。目次からもその熱がひしひしと伝わってくる。
第1章 これが新しい広告戦略だ
第2章 広告は見出しが命
第3章 どんな見出しが1番注目されるか
第4章 効く見出しはこう書く
第5章 35の見出しの型──その効果は検証済み
第6章 どんぴしゃりの訴求ポイントを見つけるには?
第7章 「テスト済み広告」と「テストしない広告」
第8章 熱意を込めてコピーを書く方法
第9章 コピーの出だしはこう書く
第10章 効くコピーはこう書く
第11章 コピーの売込み効果を高める20の方法
第12章 誰もがぶつかる問題を避ける方法
第13章 こうすればもっと問合せが増える32の方法
第14章 最大数のお客にアピールする方法
第15章 どんなレイアウトとビジュアルが1番注目されるか
第16章 小スペース広告で利益を上げる方法
第17章 頭の体操10問──成功した見出しはどっち?
第18章 広告をテストする17の方法
本書をまだ読んでいない人は、早く読んだほうがいい。なぜなら、早く読んだ分だけ、あなたの会社の売上、もしくは、あなたの収入を増やすことになるのだから。
- 作者: ジョン・ケープルズ,神田昌典,齋藤慎子,依田卓巳
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/09/20
- メディア: 単行本
- 購入: 24人 クリック: 207回
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2、伝説のコピーライティング実践バイブル
まさにコピーライティングの実践本。
実例と解説の繰り返し。だからこそ、分かりやすく実用的である。本書は、実践から導き出された叡智で溢れている。
その叡智の一部を紹介しよう。
・通信販売のベテランは、不特定多数にしょっちゅうダイレクトメールを送り、1,2ドル程度の少額商品を案内する。安い買い物で満足してもらえることが信頼の確立につながり、それは高額商品を買うときの信頼となんら変わらないことをよく知っているからだ。
・無料プレゼントさえ、複数のなかから1つを選んでもらうようにすると、注文が半減した。そういうわけで私は常々、売り込むのは一度に1つだけ、と言っている。
・レターヘッド部分を外側にして折り、相手が封筒から取り出したときに語頭と本文の最初の行だけ見えるようにして、注文数が10%も増したことが何度もある。
・切手にもレターに注目してもらう効果がある。赤い2セントの切手を2枚貼るほうが、4セント切手を1枚貼るよりも反応が大きい。赤い2セント切手1枚のほうが緑の1セント切手2枚よりも効果的。
・低価格そのものに頼って注文を取ろうとするのではなく、低価格の本当の理由を売り込むのだ。そしてこれ以来、このことが売り込みで最も重要な本質的要素であることがわかった。つまり、他者と比べて安く提供できる説得力のある理由を説明する、ということだ。
本書はなんと703ページもある。辞典とも言えるこの分厚い本には、上記のような金言が溢れている。
引用でも紹介したように、切手の色や枚数による反応の違いまで検証している。そんなことまで検証しているのかと驚くばかりだ。
数々の実践を重ねて導き出された数字や成果があまりにも刺激的で、本書を読むために8時間以上喫茶店に居座ったのを今でも覚えている。知的欲求を十二分に満足させ、かつ、実践的なノウハウが得られる本書は、間違いなく名著である。
先に紹介した『ザ・コピーライティング』が基本編だとすれば、本書『伝説のコピーライティング実践バイブル』は実践編である。合わせて読まれることをお薦めする。
伝説のコピーライティング実践バイブル―史上最も売れる言葉を生み出した男の成功事例269
- 作者: ロバート・コリアー ,神田昌典,齋藤慎子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/03/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 83回
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3、「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法
はじめて本書を読んだ時、驚愕した。
これほどアンケートを有効活用させる方法を説いた書籍は他にないだろうと。
もし、あなたがお店や会社でお客様からアンケートを集めているのであれば、本書を読むべきである。アンケートを金のなる木にさせるノウハウが詰まっている。
私自身、身に染みて分かっていることだが、売上アップに関わる大事な情報はすべて顧客が持っている。顧客をしっかりと分析して理解すれば、顧客が求めているものや自社の強み、弱点などが見えてくる。そして、そのどれもが売れるコピーを書くためには、欠かすことのできない情報なのである。本書は、それらをたった1枚のアンケートで引き出してしまうのだ。
それだけではない。
本書には、集めたアンケートを活かしてチラシ・DM・ホームページの販促効果を高める方法まで書かれている。たった5つの質問が書かれたアンケート用紙がお金を生みだす源泉へと変わる。いたって簡単でシンプル。だからこそ強力な手法なのである。
本書には、成功事例がいくつか紹介されている。
アンケートから得られる情報を元に、広告物や販促物を作れば、成果は上がるはずだ。顧客の声を元にするのだから、的外れな物を作りようがない。最も地に足が着いた堅実かつ確実なマーケティング手法ではないだろうか。
騙されたと思って、本書に書かれているアンケート用紙を作ってほしい。
それらの情報を販促物に応用すれば、必然的に効果の高い販促物が作れるだろう。
4、確実に販売につなげる驚きのレスポンス広告作成術
コピーライティングを学ぶ人の中には、デザインを軽視する人は珍しくない。特に、ダイレクトマーケティングをかじっている人はその傾向が強い。ダイレクトマーケティングの広告手法の多くが、コピー中心だからだ。
実は私も、デザインを軽視していた一人だ。正直、デザインを馬鹿にしていた。人が消費を決定するのは最終的に言葉であり、デザインではないと信じていた。事実、私が作ったコピー中心のDMなどは、何百万円、多い時には一億円を超える売上を生んだ。そんな経験を歩んできたため、コピー主義になるのは自然なことだった。
そんな私だが、本書を読んで考え方がガラリと変わった。もし、過去の自分が本書を読んでいたならば、1億円の売上は、あと2000万、3000万ぐらい増えていただろう。もしかしたら2倍以上になっていたかもしれない。
本書から学んだことは、「コピーもメッセージだが、デザインもメッセージである」ということだ。そして、ターゲット客によって、コピーとデザインの比重が変わってくるのも理解した。
たとえば、女性客であればデザインの比重は重くなる。本書でも述べられているが、女性はあまり長い文章を読みたがらない。また、女性の顔写真を安易に使うと、その広告を見た女性は、「顔が嫌い」「鼻の穴が目立って嫌」といった不快感を覚え、レスポンスを落としてしまう。
コピーライティングにはやってはいけない事柄があるが、デザインにも同様にやってはいけない事柄があるのだ。こんな細かな点を、本書は事例を交えて教えてくれている。
また、本書には『コピー中心のチラシ』と『デザイン中心のチラシ』のレスポンス比較がいくつも載っている。結果は、後者のほうがレスポンスは高い。私も消費者視点で事例を見たのだが、やはりデザインが優れているほうに心が動いた。
誤解がないように添えておくが、「イメージ広告が良い」と言っているのではない。本書はあくまでもレスポンス広告、つまり、反応を得るための広告作りを命題にしている。
もしかしたら、まだデザインの重要性に対して懐疑的な人がいるかもしれない。そんな人には、以下の引用文を読んでもらいたい。
そもそも人間は、文字を認識するまでに2秒かかると言われている。その点、ビジュアルは0.3秒~0.5秒で無意識のうちに脳が認識している。以上のことから、一瞬で目を引くビジュアルを考えなければ、ある程度の効果は期待できないのである。いくら素晴らしいメッセージがチラシの中にふんだんに埋め込まれていても、そのメッセージを読むところすら行きつかないのである。
コピーとデザインは相反するものではない。お互いを相乗させるものだ。たとえ、どんな人でも一度読めば消費せずにはいられなくなるコピーでも、読まれなければ意味がない。デザインはまさにコピーを読ませるために必要であり、また、コピーをより魅力的に見せるためのものでもある。つまり、コピーを活かすためにもデザインは必要なのだ。
そんなコピーとデザインの関係を説き、そのうえで、広告を作る際に必要な要件と手順が本書では述べられている。
コピーライティングを活かすためにも、ぜひ本書を読んでもらいたい。
確実に販売につなげる 驚きのレスポンス広告作成術 (DO BOOKS)
- 作者: 岩本 俊幸著
- 出版社/メーカー: 同文館出版
- 発売日: 2010/09/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 47回
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5、「買いたい!」のスイッチを押す方法
本書は、「売れる」の正体、「買いたい」の本質を解説した書籍である。
人が何かを「買いたい」と思う時、人の心ではあるメカニズムが働いている。それは、今も昔も、古今東西、若老男女を問わない。
そのメカニズムとは一体何なのか。どのような過程でそのメカニズムが働くのか。本書では、それらについて詳しく述べられている。
人の心のメカニズム、これを知っているのと知らないとでは大違いだ。
もし知らなければ、ほぼ確実にコピーライティングを学ぶ者は一つの罠に陥るだろう。その罠とは、テクニックばかり追い求め、テクニックでコピーを書くようになってしまうことだ。
私が知る限り、コピーライティングを教えている人の多くは、“テクニック”を伝えている。しかし、いくらテクニックを知ったからと言って、それは本質的に“売る”ことを理解しているとは言えない。
A業界に通用するコピーでも、B業界に通用しないことはよくある。だが、テクニックでコピーを書いている人は、この見極めができない。
コピーライティングをいささか勉強した人から、コピーの制作依頼をされることがある。その際、少し頭を悩ます要望をされることが多い。
たとえば、「話言葉調で長文レターを書いてください。できるだけ長いほうが良いです。前半は煽るように書いてください」といった感じだ。理由を尋ねると、「そのほうが効果的のようだからです」と返ってくる。お気づきだろうか。この人は、顧客を見ていない。テクニックを見ている。テクニックがお金を生むと思い込んでいるのだ。
売上は、顧客の「買いたい!」という気持ちと、その気持ちから発生する消費行動から生まれるものだ。しかし、顧客の心のメカニズムが見えず、テクニックばかりを追いかけるとこれがまるで理解できない。理解できていないうちは、テクニックを扱っているのではなく、テクニックに扱われているだけなのである。そうならないためにも、顧客の心のメカニズムや行動を知る必要がある。それらを知れば、テクニックに翻弄されず、顧客に適切なタイミングで適切なメッセージを届けることができる。
人を動かすコピーを書くには、顧客の心に寄り添わなければならない。
本書には、顧客の心に寄り添うためのヒントがちりばめられている。顧客を深く理解し、メッセージを届けたいのであれば、本書を読むべきである。
「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く (角川oneテーマ21)
- 作者: 小阪裕司
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2013/05/09
- メディア: Kindle版
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番外編 相手を思い通りに動かす超数字術
コピーを書き続けていると、一つの事実に行き当たる。それは、「数字は効果的なコピーである」と。
数字を入れることで、コピーに真実味や説得力、具体性が増す。本書は、今までの書籍と比べれば平易で文字数も少ない。だが、コピーの観点で数字を扱った書籍は本書しかなく、非常に着眼点の良い稀有な書籍のため紹介書籍に含ませた。
本書を一読すれば数字への理解がより深まり、コピー力を向上させるのに大いに役立つだろう。
本書には、具体的にどのようなことが書かれているか、一部引用して紹介しよう。
・「7回」より「計7回」のほうが印象に残る。
数字が二桁なら「計15回」より「合計15回」のほうが印象に残る。
・「1分」より「55秒」のほうが具体的でリアル感がある。
・事例は、3,4つと多いよりも、2つのほうが読まれる。
・専門的な知識を紹介するなら15がいい。「土地選び15のチェックポイント」
・限定は「裏付け」も書く。「午前に17個売れたため、残り3個です」
・条件を限定すると価値が上がる。「60歳以上の方限定 5%引きカード」
このほかにも、数字の扱い方や、より数字に力を与える方法などが書かれている。ぜひ、読んでおくといいだろう。
セールスのプロが教える!相手を思いどおりに動かす超数字術~売上げ・結果が9.7倍アップする数字の使い方
- 作者: 菊原智明
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2008/06/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 6回
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まとめ
あなたは、私が紹介した書籍を購入したくなっただろうか?
答えがYESなら、それは私が使ったコピーライティングの影響だ。
私から最後に伝えたいことは、「人の心を動かすコピーは、人の心に寄り添う姿勢がなければ書けない」ということだ。
本当に重要なのは、コピーの書き方ではない。もちろんテクニックは必要だ。だが、顧客の心に寄り添う姿勢がなければ、いくらテクニックを学んでも、人を動かすコピーは書けないのだ。
私は冒頭で「コピーライティングには、ビジネスを変える力がある」と述べた。実はこの言葉、額面通りの意味ではない。本当は、コピーライティングそのものではなく、“人の心に寄り添う姿勢”にこそビジネスを変える力があるのだ。そしてコピーライティングは、“人の心に寄り添う姿勢”を私たちに教えてくれる。
はじめは、小手先の技を覚えるつもりで学んでもいい。コピーライティングの知識を入れ経験を積んでいくうちに、小手先の“技”ではなく、物を売ることの本質的が見えてくるはずだ。
紹介した書籍を読めば、私の言っている真意が見えてくるだろう。
まずは、一冊でもいい。何か一つ購入して読んでみてほしい。きっと、大いに役立つはずだ。
ぜひ、コピーライティング力を磨き、一人でも多くの顧客に素晴らしい商品を提供して欲しい。あなたの成功と顧客の幸せのために。
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