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斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

「質より量が大切」に欠けているもの

理論・方法論

「量をこなすことで質が向上する。そのため、質にこだわるよりも、はじめは量を意識したほうが良い」という趣旨の話を一度は聞いたことはないだろうか。言われてみれば「確かに」と納得できる節はある。しかし、よくよく考えてみると抜けている部分があることに気づいた。
今回は「質より量」に欠けているものをテーマに私見を述べたいと思う。

 

 

意識して“量”をこなす

意識の持ち方次第で同じ練習でも技術の向上は変わってくる。
たとえば、バットの素振りをしたとしよう。
何も考えず漫然と素振りをするのと、フォームを意識して素振りをするのでは、後者のほうが断然早く技術が向上する。傍目は同じ練習に見えるが、同じ練習をしていないのだ。練習“量”にフォーカスしていると、一つひとつの練習に意識を集中するのを忘れてしまう。それも毎日同じ練習内容であればなおさらだ。

漫画『はじめの一歩』の鴨川会長は次のように述べている。

キサマらを強くするのは毎日の積み重ねじゃ。じゃが逆もまた然り!毎日の積み重ねがキサマらを弱くする! 漫然と日々を過ごすなっ。四六時中ボクサーであるコトを自覚しろ。自分に足りないモノ、必要なモノを常に考えて行動せよ!! これからの戦いはそうでなければ勝ち抜けん。

 

 

元プロ野球監督の野村克也氏の言葉もぜひ紹介したい。

キャッチボールをいい加減にする選手に、いい選手はいない。

 

『テーマのない努力』ほどムダなものはない。 

ノムラの教え 弱者の戦略99の名言

ノムラの教え 弱者の戦略99の名言

 

 

おそらく、私が言わんとすることと同じではないだろうか。
何も意識もせず量をこなしたところで質には転嫁しにくい。むしろ、練習している分「努力している感」があり、タチが悪いかもしれない。

本題にちなんだ私の経験を紹介しよう。
私は語彙を広げるために毎晩、漢字の筆記をしている。その際、無音でするのと、音楽を聴きながらするのでは、記憶の定着が違うのかを試してみた。結果は、後者のほうが記憶の定着が悪かった。おそらく、意識が散漫になり、記憶の妨げになったのだろう。これも、傍目からは同じ量をこなしているがその効果が異なる霊だ。このように、漫然と量をこなしていても身にならないのだ。

 

 

量にも“質”がある

先ほどは、“意識”の持ちようで同じ量でもその効果が異なる、という話をした。次は量の“質”について述べたいと思う。
量の“質”とは何とも捉えようのない言葉に聞こえるかもしれない。他の表現をすれば、効果的な練習法や学習法と言い換えられる。世の中には、ノウハウやメソッド、または○○法といった、方法論や理論が数多く存在する。それらの情報の価値は、今まで通りのやり方より効果(成果)が上がることにある。

スポーツの世界では科学を駆使して、日夜効果的な練習法などが研究されている。こう言った情報は非常に有益だ。同じ時間、同じ労力でも得られる効果が変わってくるのだから。闇雲に量をこなすよりも適切な量のこなし方を知るほうが、長期的に見て効果的である。

私の経験を一つ紹介しよう。
『成功の9ステップ』(著者 ジェームス・スキナー)に筋肉トレーニングについての記述がある。引用すると長くなるので要約する。

  • 筋肉は過剰負荷をかけたとき強くなる。
  • 筋肉の回復期間は、負荷や年齢によって異なる。
  • 筋肉トレーニングのセット数は1回で良い。
  • 過去よりも負荷量を5~10%増やすようにする。

 

これらの情報を元に、私は腕立て伏せをしてみることにした。
腕立て伏せをしてみたところ、1セットの限界回数が30回だった。次に1割増しに腕立て伏せができるようになったのが5日後。これで、私の回復期間は5日と判明した。それから5日おきに腕立て伏せを行うようにしたところ、毎度、1割増し多く腕立て伏せができるようになっていったのだ。33回、36回、40回、44回、48回、53回、58回、64回、70回と。3ヶ月後には、100回以上続けて腕立て伏せができるようになった。この結果には、私自身も驚いた。

成功の9ステップ

成功の9ステップ

 


もう一つ例を話そう。
私は2年前にイメージコンサルタントによるカラー診断を受けた。そのお陰で、自分に似合う服の色が明確になり、似合わない服を買う率が大幅に減った。もし、カラー診断を受けていなければ、どれだけ多くの無駄な出費をしたかわからない。カラー診断を受けなくても、大量に服を買いこめば、いずれ自分の似合う色は判るかもしれない。だが、そこに辿り着くまでの出費はあまりにも大きすぎるのではないだろうか。たった1回のカラー診断で、そうした無駄な出費を抑えられたのだ。


このように、物事には必ず適切なやり方がある。闇雲に量をこなせばいいというものではない。一度プロから指導を受けるだけで“質の良い量のこなし方”を知ることができる。労力を無駄にしないためにも量の“質”に一度目を向けるべきである。

 

 

まとめ

「質より量」は一見正しいのだが、欠けている点が2つある。
それは“意識”と量の“質”である。これらを心がけて量をこなせば、質への転嫁がより早く、より効果的に行われるだろう。