斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

「美味しい料理」と「面白いブログ記事」は、よく似ている

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料理とブログ記事はよく似ている。
具体的に何が似ているのかと言うと、出来上がるまでのプロセスだ。

料理は、「食材」⇒「調理」⇒「盛付」の順で作られる。
美味しい料理を作りたければ、良い食材を仕入れるか、調理の腕を上げるかだ。それと、見た目も大切だ。どんなに良い食材を仕入れ、上手く調理したとしても、盛付が粗雑なら美味しそうに見えない。

ブログ記事もこれによく似ている。
ブログ記事は、「情報」⇒「考察」⇒「執筆」の順で作られる。
面白いブログ記事を書きたければ、良い情報を仕入れるか、人と違った考察をするかだ。それと、文章力も大切だ。どんなに良い情報を仕入れ、着想に富んだ内容でも、文章が粗雑なら面白そうに見えない。

今回は、美味しい料理を比喩に、面白いブログ記事について考えてみたいと思う。

 

 

面白いブログ記事を書くためにするべきこと

はじめに伝えておかなくてはいけない点がある。
今回のテーマは「面白いブログ記事」であって、「アクセスが集まるブログ記事」でも「稼げるブログ記事」でもない。読んでいて純粋に「面白い」と言われるブログ記事についてのみ言及する。

さて、先ほどは料理とブログ記事が出来上がるまでのプロセスがよく似ていると書いた。であれば、料理が出来上がる背景は、ブログ記事にも応用できるはずだ。食材は情報に、調理は考察に、盛付は執筆に置き換えて考えてみよう。

一つずつ分析していく。

 

 

情報で差をつける

面白いと言われる情報とは何だろう。
そう問われると返事に詰まってしまう。そこで一度、料理に喩えてみよう。
良い食材とは、旬の食材、新鮮な食材、珍しい食材、本物の食材、身体に良い食材などが挙げられる。ここで、食材を情報に置き換えてみる。すると、以下のようになる。

 

1. 旬の情報

今話題のネタは多くの人の関心が集まる。情報は生モノであるため、出来るだけ早く取り上げるほうがいい。以前、「Windows8はなぜ失敗したのか」という記事がネット上にアップされていた。面白いのは、まだWindows8が発売される前にその記事が書かれていた点だ。つまり、先読みして、なぜ失敗した(する)のかを分析したのだ。他にも、漫画やドラマの話の続きを予測したり推理するブログも注目を集める。

 

2. 新鮮な情報

実際に現地に行った情報や身体を張った情報にはリアリティがある。リアリティを伴った情報の価値は高い。キャッチセールス潜入ルポを記した書籍「ついて行ったらこうなった」を読み、お腹を抱えて笑ったのを覚えている。最近私が面白いと思う“やってみた系”ブログの一つが、暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログだ。

 

3. 珍しい情報

「ここだけの話……」「地元の人しか知らない話……」など、一部の人間しか知りえない情報は人の関心を引く。テレビ番組「ケンミン show」はまさにこの類だ。県民からすれば当たり前の習慣でも、他県民からは変わった習慣に見える。県民だけではなく、業界や身内の話で、他から見て一風変わっている習慣や常識は関心を引く。

 

4. 本物の情報

「病院に殺される」など、常識を覆す話は刺激的だ。私たちが普段耳にしている情報が実は偽りだったというのはよくある話だ。誰もが真実を知りたい。偽りの情報によって搾取されているのであればなおさらだ。マスゴミなどと騒がれている昨今、正確な情報を知りたいと思う人は昔よりも多くなっている。

 

5. 役立つ情報

ネット上で特に人気があるのはこの手の情報だろう。「○○する方法」や「○○に役立つサイト」をよく見かける。役立つ情報やサイトを集約して紹介してくれるのは大変ありがたい。専門家による専門的な情報は常に誰かが求めている。「1時間で3000文字書く方法」があればぜひ私に教えてほしいw

 

以上のように、面白い情報(ネタ)を拾ってくると、ブログ記事を面白くできる。

 

 

考察で差をつける

良い情報はそう簡単に手に入るものではない。だからこそ価値がある。だが、毎日ブログ記事を書くとなると、なかなか難しい。面白い記事を量産するには、やはりどこにでもある情報を面白い視点で書けなければならない。それが“腕”というものだ。

以前、ある社長と料亭に行った際、こんなことを言われた。
「高級食材で美味しい料理を作れるのは当たり前だ。安い食材をいかに美味しくできるかが職人の腕なんだ」と。もちろん、一流の職人に高級食材を使って料理してもらうのが最高なのだろうが、社長の話ももっともだと思った。日々、面白いブログ記事を書き続けるには、どこにでもある情報を面白い視点で語れる考察力が必要なのだ。

では、ブログ記事における考察力とは何なのか。
それは、人と同じ情報に触れているにも関わらず、人と異なった見方をすることである。発想力に富んだものかもしれないし、論理性が長けているものかもしれない。どちらにしろ、“人と異なった見方”であることが重要だ。

私自身、考察力について偉そうに言える立場ではない。
ただ、私が今まで色々な情報に触れてきて、「着眼点がいいな」と思ったものには一定の共通点がある。それらを紹介したい。

 

1. 視点を変える

新聞広告コンテストのグランプリ「ボクのお父さんは、桃太郎というやつに殺されました」は、まさに視点を変えた好例である。鬼側の視点で桃太郎を語っている。
映画「誰も守ってくれない」も着眼点がいい。被害者を描く映画は多いが、加害者の家族を描いたものは稀である。凡俗的な視点ではないものは、映画にしろ、ブログ記事にしろ、面白い内容になりやすい。

 

2. 別分野からテーマを語る

ビジネス書籍「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」は、素晴らしい。普通なら、どこかのビジネスマンに『マネジメント』を読ませて終わってしまうだろう。そうしなかった点がとても優れている。
同じくビジネス書籍「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」も、タイトルを見ただけで「そういえば確かに!」と思える。テーマをど真ん中で語るのではなく、別分野から語ることで他にはない斬新さと面白さが得られる。

 

3. 常識の逆説を唱える

「オリンピック、毎日見ています」などの大衆的な話は面白くもなんともない。「うん、そうだね」で終わってしまう。大衆が注目している逆を行く記事は目を引く。「私がオリンピックを観戦しない理由」「オリンピックなんて観戦しませんけど、何か」ぐらいの刺激的な内容がウケる。(この例は炎上しますw)
最近、私が面白いと思ったブログに電子書籍は紙の本より安いべきであるは本当なのか?がある。「電子書籍は、本よりも安いべきである」という世間一般認識の逆を説いている。はてなブログのエントリーにも選ばれ、バズられたブログ記事の一つだ。

 

4. 分析する

感想を述べただけのブログ記事は面白くない。「浅田真央の演技に感動した」は、常人的な感想でしかない。それよりは「なぜ浅田真央はプレッシャーに打ち勝つことができたのか」「浅田真央が他の選手より優れていると思った点」のほうがよほど面白い。
感想を書くのではなく、分析する。分析とは細かい点に着目することでもある。全体ではなく、部分を見る。それだけで、他のブログ記事とは一線を画すことができる。

 

5. 難易な情報を平易にする

政治や経済について、政治家や有識者が意見を述べるが、思惑や癒着があるため、偏った情報を発信している。そのため、しがらみのない人による論理的な解説は重宝される。政治や経済に関わらず、難易な話を平易に説明してくれる情報はありがたい。数学、経済、投資など、数々の分野で650万部を売り上げた細野真宏氏の書籍はその好例だ。難しい話を子供でも分かるように解説してくれている。

 

 

以上の5つが、考察(人とは異なった見方)の仕方である。当然、これ以外にも見方は数多くあるだろう。それは筆者の感性や経験によるものが大きいため、そう易々と模倣できるものではない。

今回は誰もが考察の手がかりになりそうなものを5つ紹介した。

 

 

執筆で差をつける

要は文章力だ。今さらここで文章の書き方など記すつもりはない。長くなってしまい、それだけで一つのサイトが出来てしまう。ここは、簡単に触れて終わらせるつもりである。
文章に表現力があれば、たわいもない話も面白く飾れるだろう。だが、それはあくまでも表面的であって、記事自体が面白いわけではない。はやり中身が面白いブログ記事を書くのであれば、先ほどまで話してきた、「情報」と「考察」で差をつけるべきだろう。文章力は、一定レベルまであればいい。

料理で喩えれば、味は不味いが盛付だけ綺麗に装ったのと同じだ。美味しくないことは、食べればすぐにバレてしまう。はやり、材料か調理の差で美味しくさせるのが正攻法だろう。

ブログを読む側も、編集や校正の手が入った高クオリティの記事を期待していない。無料なのだから、ある程度の雑さは目をつぶってくれる。むしろ、その粗っぽさが言葉に熱を宿すこともある。

読者は、当たり障りのない体のいい情報を読みたいのではない。穿った見方や珍しい考え方、自分が疑問に感じていたことを懇切丁寧に語ったブログを読みたいのだ。メディア媒体が書けないような内容を書けるのが、ブログの良さの一つでもある。

 

 

まとめ

ふと、「料理とブログ記事は似ているな」と思い、潜考するために本ブログ記事を書いてみた。何かの参考になれば幸いである。

 

 

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