斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

短期間でスキルを身に付けてお金を稼ぐ『実践的勉強法』

先日、美容商材を扱う会社でWEB制作をしている30代の男性とお会いした。
彼は、自社のWEBサイトだけではなく、顧客である美容院のWEBサイトも制作している。美容院のWEBサイトとなれば、一定水準以上のデザインクオリティが求められる業種だ。
彼が制作したWEBサイトは驚くほどクオリティが高かった。私は彼を絶賛した。「美容院を専門に制作している他の業者よりもクオリティが高いじゃないですか!」と。私は彼に関心を抱き、こう質問した。「WEB制作を始めてどれぐらいですか?」。すると、彼からは意外な答えが返ってきた。「1年半です」。私は驚き、さらに質問を加えた。「もしかして独学?」。「ええ、そうです」。彼は柔らかい笑顔でそう答えた。私はその答えを聞いて深く納得した。

私がなぜ納得したか。その理由を話す前に、ここで彼の背景を説明しておこう。
元々、彼がいる会社では美容院オーナーと密なコミュニケーションを大切にしている。そうした中、美容院オーナーから「うちのホームページを作ってくれないか?」と相談されることが多々あり、その流れでWEBサイトを作るようになったのだ。元々、WEBサイトを作るつもりで入社したわけではない彼は、独学でWEB制作を学んだ。そして今では、他の会社に引けを取らない(私から見たら彼のほうがレベルは高い)、WEBサイトを制作している。

さて、私がなぜ「独学」という言葉を聞いて納得したのか。それは、これから私がお伝えする『実践的勉強法』を、彼は知らず知らずのうちに辿ってきたからだ。そのため、彼の短期間による成長が腑に落ちたのだ。
では、『実践的勉強法』について、詳しく解説していこう。

 

 

お金をもらいながら勉強する

“勉強はお金を払ってするもの”とあなたは考えているかもしれない。実践的勉強法では、この逆をする。“お金をもらいながら勉強する”のだ。私の実体験を元に説明しよう。

私はコンサル業の一環として販促物の制作や指導などを行っている。反響率の高い販促物を作るにはコピーとデザインが重要だ。
私は起業当初、コピーもデザインも素人だった。しかしそれでも、「コピー&デザインでお金もらいます」と言い、お金もらい仕事をしてきた。仕事である以上、しっかりとしたものを納品しなくてはならない。当然、責任も発生する。私は「お金をもらいます」と公言する覚悟をしてから、そして仕事をもらうたび、死に物狂いで勉強した。

この勉強法は非常識だろうか? 私は非常識だとは思わない。なぜなら、誰もがこれと同じ経験を疑問もなくしているからだ。
会社に就職したばかりのときは、誰もがその仕事の素人である。しかしお給料をもらっている。お給料をもらっている以上プロであり、価値を提供しなければならない。そのため、必死で仕事を覚え、勉強する。「お金をもらいながら勉強する」は、特別変わった考え方ではなく、誰もがしていることなのだ。

「お金をもらいながら勉強する」は、勉強に身が入るだけではない。そのほかにも効用がある。それは、“自然と実践的なスキルを学べる”という点だ。「2割8割の法則」で言うところの、8割の成果をもたらす2割の知識とスキルから身に付いていく。それはそうだ。実践の場にいるのだから、実践的なものから身に付くのは自然なことだろう。

それに対し、「お金を払ってする勉強する」は、どうだろう。
この勉強は、どこか安堵している。責任がないからだ。それに、「2割8割の法則」で言うところの、2割の成果したもたらさない8割の知識とスキルから教えられる。学校の勉強はその最たるものだろう。「それ、何に使うの?」という知識ばかり教えられる。
私の持論から言えば、それは、お金を払う側にいるからだ。お金を払う側にいる以上、実践から一番遠い知識やスキルから教えられるのだ。

私の話を聞いて批判的な意見もあるだろう。
「実践的な知識やスキルだけでは駄目だ。不必要に思える基礎や基本が大事なのだ」と。その意見はよく分かる。それに、専門校などに通わなければ資格が取れない仕事もある。そうした仕事では、この勉強法は使えないのも理解している。

だが、一つ言わせてほしい。
商業という実践の場で、顧客は「こいつ基本ができているな」などと言う点を見ているだろうか? 顧客は、ニーズを満たす商品・サービスが欲しいのだ。基本が大事という姿勢はプロ意識上大切であるが、市場価値的から見た場合、さして重要ではない。顧客の欲求を満たすことが重要なのである。

昔、テレビを見ていたら、あるミュージシャンがこのように言っていた。「テレビに出ているギターリストでもね、椅子から滑り落ちるぐらいド下手な奴がいるんだよ。そんな奴でもプロとしてお金もらえるんだよね」。商業的にお金がもらえる(価値がある)かどうかは、基本ができているかどうかは気にしていない。

それともう一つ言いたい。
現代のビジネス環境では、悠長に基本から学んでいる時間はない。学校を卒業したら、即、実践の場で実践スキルを学べ。基礎は後からでいい。それが『実践的勉強法』なのである。

 

 

プロと宣言する

私は起業して間もない頃、WEBサイト「コピーライティング専門サイト」を制作した。つまり、コピーライティングの専門家としてWEBサイトにコンテンツを書き始めたのだ。私自身、以前いた会社では確かにマーケティングやコピーライティングを駆使して、売上を上げてきた経験はある。しかし、それは一社員としての活動であり、自分がプロのコピーライターという認識はなかった。

それでも私は起業して早々、コピーライティングを上から目線で教えるサイトを作ったのだ。作ることで、プロのコピーライターとして成長できると知っていたからだ。

今でもこのサイトを作ったことは正解だと思っている。
サイトを作ることで実力が磨かれるのを実感できたからだ。コピーライティングを教えている人のコピーが下手では話にならない。さすがにそれは恥ずかしい。私は集中して何度も何度も書き直し、WEBサイトに載せるコンテンツを書き上げた。4年前に作ったサイトだが、今でも、このサイトから仕事の依頼や教材の注文が寄せられる。ファンレターが届くこともある。

一つ認識を改めよう。
プロとは、プロのスキルがあってプロになるのではない。プロと名乗るからプロになるのだ。別の言い方をすれば、プロという肩書きがプロを作るのである。

 

 

『実践的勉強法』の手順

ここで一度、実践的勉強法の手順を書き記そう。
プロを名乗るのが始めの一歩となる。次にWEBサイトでプロとしてのコンテンツを発信する。そうすることで、知識やスキルが磨かれ、仕事まで受注できるようになる。仕事が受注できれば、さらに真剣に実践的な勉強ができる。
これが、短期間でスキルを身に付けてお金を稼ぐ『実践的勉強法』なのである。

先にも話したが、勉強はお金を払ってするものではない。それは、趣味か道楽である。ビジネス視点で言えば、まずは、客(市場)を見つける。それから商品・サービスを作る。センスのない人は、この逆をする。商品を作ってから顧客を探してしまう。もし、お金を払ってスキルを磨いたとしても、仕事が受注できなければ意味がない。ただのくたびれ損である。それを回避するためにも、まずはWEBサイトなどでプロとしてコンテンツを発信するのだ。

私が提唱している『実践的勉強法』は、常識的な勉強と仕事の関係の逆を行っている。通常は、必要なスキルを学んでからプロとして仕事を受注する。『実践的勉強法』はそうではない。仕事を受注してから、プロとしてのスキルを学ぶのだ。

「もし、一定のクオリティを提供できなければどうする」という疑問・批判もあるだろう。そのときは、別の人に仕事を回せばいい。そんな問題はどうにでもなる。大切なのは、顧客に損をさせないこと、そして、顧客のニーズを満たすことなのだ。心配なら、返金保証も設ければ良い。
私は二段構えでいる。もし私の手に負えないデザインの仕事が来れば、知り合いのデザイナーに依頼するつもりはあるし、返金保証も設けている。だが、未だにその手を使ったことはない。せっかくの勉強の機会を失うからだ。

私はむしろ疑問である。
そもそも、お金になるかどうか分からないものを、なぜ勉強からはじめるのか。お金になると分かってから勉強するなり、商品・サービスを提供すればいい。それが商人思考であると私は考える。
一つ言えるのは、『実践的勉強法』は、マーケティングと相性が抜群に良い勉強法であるということだ。

 

 

まとめ

これを読まれた人の中には、批判的な意見を抱いた人もいるかもしれない。批判したくなる記事なのは重々承知している。だがそれでも私はあえて書いている。
その理由は、実践的勉強法に共感と感銘を受ける人が一定数いることを私は知っているからだ。その人に言いたい。ぜひ、この勉強法を実践しよう。共感できるのは、あなた自身もしくは身の回りの人を通じて、実践的勉強法を経験してきたからだ。感銘できるのは、あなたが今おかれている状況に非常にマッチしているからだ。
ぜひ、実践的勉強法を大いに活用して成果を挙げてもらいたい。

 

 

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