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斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

マーケティングはお客がする時代

「パシャ」。
注文して運ばれてきた料理をiPhoneで撮影するお客。きっと、facebookへ投稿するのだろう。今では珍しくない光景。誰もがメディアになり、誰もが情報発信できる、そんな時代だ。
思い返せば、個人が気軽に情報発信できるようになったのは、ブログサービスが始まりだ。HTMLなどの専門的な知識を持たなくても、文字や写真をネット上にアップできるようになった。この頃から私たちが取り巻くビジネス環境は、少しずつ変わり始めていた。

 

 

評価がお金を生む時代

「今、○○レストランで○○を食べています」。
facebook上では、こんな投稿を1日一度は目にする。私はfacebookを見ることが多いが、ブログに感想を載せる人も中にはいるだろう。
美味しそうな料理であれば、それだけで投稿したくなる。人は、損した話や不満足な話よりも、得した話や満足した話を共有したいものだ。これらの投稿を目にした人の中には、「お店に行ってみたい」と思う人もいるだろう。そう考えれば、お客がする情報のシェアは、ある種の広告とも言える。
いかに評価され、いかに広めてもらえるか。企業は、この点をよく考えなくてはいけない。

評価について、別の切り口から話してみたい。
Amazonや楽天などの通販サイトで商品を購入する際、あなたは星印やレビューを参考にはしないだろうか。おそらく、私を含む多くの人たちが参考にしているはずだ。当然、星の数が多く、好評価なレビューが書かれている商品は、購入される傾向にある。
つまり、お客による「評価」が他の人の「消費」に影響を与えているのだ。高評価が集まる商品はより消費されるようになり、低評価の商品は消費されにくくなる。

これは何も通販サイトだけの話ではない。店舗商売も同様だ。
食べログに掲載されている評価を見て、食事に行くレストランを決める。じゃらんに掲載されている評価を見て、宿泊するホテルを決める。このように、WEB上にある評価が消費先を決める重要な情報源になっている。

他にもある。
ビジネスマッチングサイト『楽天ビジネス』や『ココナラ』では、評価制度を導入している。依頼者は、受注先の仕事ぶりや品質を評価することができる。この評価を見て、他の依頼者は受注先を選ぶというわけだ。

今や、評価を消費の判断基準するのは当たり前になっている。
“いかに上手い売り文句や謳い文句を言うか”ではない。“いかにお客に評価されるか”だ。それが、これからのマーケティングなのだ。
今我々がいる社会は、評価が消費を左右する評価社会なのである。

 

 

マーケティング力と商品力に境界線はない

元来、経営戦略上において、マーケティングと商品は別々に取り扱われてきた。しかし今となっては、その認識は誤りだ。商品力がマーケティングに与える影響が大きくなり過ぎたため、境界線がなくなった。

先ほどから話しているように、商品・サービスは消費者から評価され、その評価によってさらなる消費が生まれる。つまり、評価の高い商品・サービスを提供していれば、商品が勝手に売れるようになる。
職人気質の経営者が言う台詞に、「良い物をさえ作っていれば、売上は後からついてくる」がある。この言葉が現実となっている。良い物が広まる速度が10年前とは段違いなのだ。

少し大げさな表現をしよう。
企業はもうマーケティングをする必要はない。企業は商品の品質だけを高めていればよい。マーケティングはお客がする時代なのだ。

 

 

企業も人も評価の対象である

会社を評価するWEBサイト『VORKERS』がある。
ここでは、社員・元社員が会社を評価している。『待遇面』や『人事の評価』『風通しの良さ』など、評価の項目は数種類ある。評価されている企業は約50万社もある。転職希望者はこれらの情報を見て、次の就職先を決める判断材料にしている。

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他にも、アルバイトを評価するWEBサイト『お手伝いネットワーク』がある。
このサイトでは、アルバイトを雇った会社がアルバイトを評価している。他の会社は、評価を見て、雇うアルバイトを決める判断材料にしている。

また、求職者のfacebookページを見て、採用・不採用の判断材料にする企業もあるという話を耳にする。このように、商品・サービスだけではなく、企業も個人も評価の対象になっているのだ。

 

 

コンテンツも評価の対象

SEOの世界において最近聞く言葉に『コンテンツSEO』がある。
今のGoogleは、WEBサイトのコンテンツの質を見て、検索上の順位を決めている。つまり、コンテンツを評価しているわけだ。どのように質を判断しているのかは、Googleは公表していない。
あくまでも私の推測だが、滞在時間や直帰率などの数値を元にコンテンツの質を判断している。それが最もユーザー目線の評価の仕方だと私は考えている。(おそらく、Googleもユーザー目線でアルゴリズムを組むはずだ)
また、ユーザーからWEBサイトにあるコンテンツが良質だと評価されれば、SNS上でシェアやRTされる。そうなれば、WEBサイトへのアクセスも集まり商品の購買につながる。

このように、人、企業、商品、サービスだけではなく、WEBのコンテンツまでもが評価の対象なのだ。

 

 

まとめ

この話に懐疑的な人もいるだろう。だが、評価が消費に与える影響は今後益々大きくなるのは確かだ。
マーケティングを考えるより、商品品質を追求する。そのほうが、結果的にお客は集まってくる。そんな時代だ。
「良い物は勝手に広まる。広告は粗悪な商品を売るための媒体」などと言われる日が来るかもしれない。評価社会は、良い物が良い物と評価される社会なのである。
「お客だけを見よ。そして、お客を悦ばせよ」。それがこれからのマーケティングのあり方なのだ。

 

 

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