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斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

「ホウレンソウ」を徹底しても、優秀な組織は作れない

理論・方法論 ビジネス

私が以前勤めていた会社では、年に一度、500名以上のお客様を集めて泊りがけのイベントを催していた。私はそのイベントの責任者を3度任されたことがある。

責任者として初めてイベントを終えたときのことだ。イベント会場として使用したホテルの責任者とお話した際、大きな気づきを得る一言を言われた。ホテルの責任者は、私にこう言ったのだ。「イベント、上手くいきましたね。でも、外から見ていて思ったのですが、スタッフは皆、あなたの指示待ちですね。何かあると全部あなたに相談して行動していました」。私は「あぁ、そうか」と省みた。

仕事における通説の一つに「ホウレンソウ」がある。しかしこれは誤りだと気づかされた。ホウレンソウも行き過ぎれば、自分では何も考えない指示待ち人間を作り、ホウレンソウ待ち上司を生むだけである。マネジメントの理想は、責任者がいなくても組織が回ることにある。ホウレンソウを徹底していたら、それは不可能だ。

それからは、ホウレンソウを最小限にしてイベントが運営できるようにと考えた。考えていく中でホウレンソウを減らすには、二つの重要な事柄があることに気づいた。一つは、判断基準を与えること。もう一つは、判断基準に基づいた行動で問題が起きたとしても責任を問わないという約束。
翌年のイベント、私はスタッフにこう告げた。「スタッフ一人一人、お客様が満足して帰ることを第一に考え、判断してよい。その判断のもとで行動し、たとえ失敗したとしても一切責めない」と。

これ以外にも色々な工夫をしが、上記の2つは最も大きな意味をなしたと思う。結果としては、翌年のイベントでは私の仕事量は半分となり、ホウレンソウもだいぶ減らすことができたのだ。

そして、イベントを終えた後、ホテルの責任者にこう言われた。「顔にずいぶん余裕が生まれましたね」と。