斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

大人の感性を育てる方法

「子どもは、大人より感性が良い」とする説は、脳科学的には間違い。
大人になるほど感性は育まれる。なぜなら、感性とは情報量だから。

詳しくはこちらのページで解説している。


感性を日常的に鍛える方法がある。
それは、“小さな物事に意識を傾ける”だ。別言すれば、「一つの物事から、できる限り多くの情報収集に努める」となる。

たとえば、道端に咲いている一輪の花を見て、「どんな色をしているのか。色のグラデーションは。葉っぱの形や色は。雄蕊なのか、雌蕊なのか。どんな匂いがするのか。どの角度から見ると綺麗に見えるのか。花を見てどんな印象を持ったのか。どこに飾ると映えそうか」など、できる限り観察したり内観したりして、情報量を増やしていく。

道端に咲いている一輪の花から情報を膨らませることができれば、ほかの小さな出来事や物事からも、気づきや発見が得られるようになる。本当に感性の豊かな人は、小さな物事に感動できる人だ。それは、小さな物事から多くの情報を得ているからにほかならない。

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2日前、居酒屋でテレビを見ていたら、98歳の画家が出演していた。その画家は、近所の紅葉を見て「近所にこんな美しい景色があるなんて。海外に行かなくても綺麗な景色が近くにあった」と感動していた。一見、どこにでもある紅葉。しかし画家は、そう感じなかった。長年、絵を通じて観察する力を養ってきたため、身近にある美しさに気づくだけの感性が育っていたのだろう。

テレビ番組を見ていて、ある本の内容を思い出した。「旅行に行くのは、地元にある美しさに気づく感性を養うため。旅に行く必要のなさに気づくのが、旅」。どこの誰が書いた書籍かは忘れてしまったが、この内容だけは、よく覚えている。なんだか、「幸せの青い鳥」のような話である。美しさはすぐ近くにあるのだ。

また、他人のブログを見ていて、「筆者は、感性が豊かだな」と思うことがたまにある。どんなブログを見てそう思うのか。それは、普通の人ならネタにしないだろう、ありふれた出来事から感動や発見を見出しているブログだ。
初めての経験や珍しい出来事は誰でもネタにできる。そうではなく、ありふれたものからいかに感動や発見を見出せるか、それが感性だ。このような感性を有していれば、ブログネタに困ることはないだろう。

誤解しないでほしい。
感性が豊かだから、気づきや発見があるのではない。気づきや発見を見つけ出そうと心掛けるからこそ、感性が豊かになるのだ。そして、感性が豊かになれば、ありふれた日常から幸せや美しさを見出せるようになるのだ。