日本人は、読解力どころか、想像力まで低下してきている
近年、日本の子どもたちの読解力が低下してきている。
参考:「PISA読解力低下」は子どもたちからのSOS
読解力とは、書かれている内容を正確に読み取ることを指す。これに加えて、書かれていないことを読む力(想像力)も低下してきているように私は思う。これは、子供だけではなく、大人も、だ。
私がこのことに気づきはじめたのは15年ほど前。
TV番組を見ていたら、タレントが口にしたセリフをやたらとテロップが出てきたのを見た時だ。この様相を見ていて、「あぁ、こういった演出をしないと、視聴者は楽しめなくなったのか」と思った。
実はこれ、TVだけではなく、ほか場面でも顕著に表れている。
たとえば、日本と海外の映画のポスターを比較したものがある。
韓国と日本のポスターの差よ!!!
— 𝙖 𝙤 𝙞 . (@c3d_wk) July 21, 2018
元から韓国verので十分洗練されてて良いし、
何で後からわざわざキラキラつけて安っぽくするの?!😫
こんな物語じゃないよ〜〜💦 pic.twitter.com/YVmvrBpwl3
6/21に中国で公開になる #千と千尋の神隠し 。去年ようやくジブリが作品の上映権利を現地の代理店に委託したらしいって聞いたんだけど、ポスターがヤバい…日本の映画が海外に出て行くのが難しい理由はいくつかあるんだろうけど、世界規模の興収を見込んで作ればいいのにとずっと思ってる… pic.twitter.com/i71WznYt8f
— むびお (@movio_) June 15, 2019
ポスターの情報量を多くしないと今の日本人には響かないのだ。海外のポスターを見せられても「?」になるだけだろう。
ほかにも、書籍の帯に書かれる「○回泣けます」といったものもそうだ。不粋なコピーではあるが、そうでもしないと消費者が手に取らないようになってきている表われである。
楽天の販売ページや情報商材のLPがゴテゴテなデザインなのも、すべて同じ理由だ。ああいうデザインが日本人受けするのだ。
※以前、楽天に出店している人に「品のあるシンプルなデザインにしないのか」と尋ねたら、「それだと売れない。色々やってみて、ゴテゴテのデザインに落ち着いた。たぶん、ほかのお店も同じだと思う」と言っていた。
未だ日本では、ゴチャゴチャしたTOP画面のヤフーの利用者が半数近くいるし、同じくゴチャゴチャしたホーム画面のAmebloがトップシェアを築いている。
決して、広告代理店やデザイナー、企業にセンスが無いのではなく、消費者に合わせた結果、このようなデザインになっているのだ。そうでなければ、様々な業界で似た事象は起きないであろう。
ここ最近話題になったのは、こんまりさんのYouTubeサムネイルだ。日本と海外向けに発信しており、サムネイルのデザインが全く異なる。日本向けはうるさい感じのサムネイルだが、海外向けは洗練されたデザインになっている。
こんまり先生のYOU TUBEチャンネル、海外向けと日本向けで色が全然違う。戦略的に動画を作っててすごい pic.twitter.com/greallmq6j
— あおむろ (@aomuro2nd) October 20, 2020
日本人に受けるデザインを心得ており、それをサムネイルや動画づくりに落とし込んでいる点は、さすがだと思う。
ほかにも
【投稿スタイルにプライド不要】
— せっちゃん@インスタ41万フォロワーのシングルマザー (@100yenshoplove_) July 27, 2020
⇚フォロワー1万人停滞期の投稿
フォロワー30万人超えた今の投稿⇛
伸び悩んでいるなぁと思ったら、伸びている投稿スタイルに全力で舵をきる決断も大事 pic.twitter.com/h84zBDcPaS
TVをはじめサムネイルやポスター、書籍の帯、販売ページが品のないデザイン(シンプルからほど遠い)になってしまうのは、日本人の読み取る力(想像力)が著しく欠如しているから。おそらく、この現象は収まることはなく、年々さらに増していくことだろう。
【おまけ】
私はシンプルなデザインのはてなブログが好き。自身のウェブサイトもシンプルなテンプレートを選んだ。