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斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

セミナーを活かせる人と活かせない人の違いとは

ビジネス 理論・方法論

あなたはセミナーで得た情報を活かせているだろうか?
毎日どこかで何かしらのセミナーが開催されている。講師は、自身の経験や理論を受講者に伝えようと懸命に弁舌を振るう。しかし、残念ながらその情報を活かせている人は、ほんの一握りしかいない。講師経験者はこの事実を熟知している。受講した数%の人しか、実際に行動に移さないことを。

これは本当に残念な事実だ。セミナーで教わった内容を一つでも実行すれば、セミナーにかけた費用は簡単にペイするというのに……。たとえ、セミナー料金が万単位だとしても、だ。

だが、残念なことばかりではない。見方を変えれば数%の人は、行動に移しているとも言える。

セミナーで得た情報を行動に移す人と移さない人とでは、何が違うのか。今回はその差異について私の考察を述べたい。

 

 

フォーカスしているものが違う

行動に移す人と移さない人、この差異はどこから来るのか。答えは、“フォーカスしているものの違いから来る”である。
行動に移す人は、“実行できること”を求めてセミナーに参加する。
行動に移さない人は、“知らない情報”を求めてセミナーに参加する。
この違いから、受講後の行動に差異が生まれるのだ。

前者は何かしらの行動を起こしやすい。行動するためにセミナーを受講しているのだから、当然と言えば当然である。後者は、知らない情報を得られればそれで満足してしまい、何も行動に移さない。それが目的なのだから、これも当然と言えば当然である。

この差異は、アンケートによく表れる。
前者のアンケートには「帰ったら早速○○をやってみます」「○○ができていないことに気づきました。改善したいと思います」など、行動を示す言葉が記載される。後者のアンケートには「知らない情報ばかりで大変勉強になりました」「新しい発見がありました」など、既知の有無を示す言葉が記載される。

後者がもしセミナーに不満足だった場合は、アンケートに「知っている情報ばかりでした」と記載して来る。セミナーで重要なのは、知っているか否かではなく、「やったことがあるか、ないか」である。しかし、「やったことがある情報ばかりでした」と記載されたアンケートを私は未だかつて見たことがない。「やったことがある、ない」という観点でセミナーを受講している人は、セミナー中に必ず一つ以上やっていないことを発見する。そのため、アンケートには「○○をしてみます」と記載するようになるのだ。

 

 

なぜ行動しないのか?

さて、私は行動しない人を非難したい訳ではない。実は行動しないのには、本人も気づいていない理由があるのだ。私も少し油断するとこの罠に引っかかってしまう。

行動しない理由の一つは、恐怖である。
セミナーを受講する人は、生活や仕事で何かしらの変化を求めて来ているはずだ。だが、何かを変化させるというのは実に勇気のいる行為なのである。そのため、変化を避け“変化しない道”を選択してしまうのだ。

セミナー受講者には無意識下にこのような恐怖がある。
「もし、行動して何も変わらなかったらどうしよう。何も結果が出なかったらどうしよう」と。最も怖いのは、行動せずに何の成果も上げられないことではない。行動したにも関わらず、何の成果も上げられないことだ。そのため、情報収集に満足を得て完結する道を選んでしまう。「自分は勉強した」と言い聞かせれば、自分を責めなくて済むからだ。

私の例で少し解説しよう。
ビジネス書を読んでいると、やったことのない事柄が書かれていることがある。自分のビジネスに活かせる情報と分かっていながら、私は何も行動を起こさないのだ。「面倒だ」「あまり効果なさそう」などと自分に言い訳を聞かせているが、本当は違うのだ。もしそれをして成果が上がらなかったときのショックを避けるために、私は「やらない」という選択をし、勉強した自分を褒めて自己満足していたのだ。

先日、私は講師をお招きしてSEO関連のセミナーを開催した。講師の方は、SEO対策の方法論をいくつも提示した。その中に、「WEBコンテンツを数多く書く」という方法があった。講師は3年間に1,000記事書いたそうだ。

私は、この方法を以前から知っていた。だが、実行していなかった。WEBサイトのコンテンツは、今年に入って10記事も書いていなかったのだ。私はきっと逃げていたのだろう。

私は記事を書くとき、執筆にとにかくエネルギーを傾ける。周辺でよく見かけるコンテンツよりも優れていないと気が済まない気質のせいか、自分が納得しないと公開したくないのだ。それゆえに、記事の執筆に多大な時間とエネルギーを費やしてしまう。もしそれで成果が上げられなければ、私はきっと精神的なダメージを負うことになるだろう。それが怖かったのだ。だから、実行に移さなかった。

セミナーが終了し、私は一つの目標を立てた。それは、「年内に50記事書く」である。セミナーから2週間たった今、実際に10記事を書き終えた。主催者の立場にも関わらず、もしかしたらセミナーで最も利益を得たのは私かもしれない。

「何もしなければ成果は上がらない。行動したほうが良いに決まっている」。頭では誰もが分かっている。しかしそれができないのは「恐怖」という感情が足を竦ませ、一歩を踏み出せなくしているからだ。
これはセミナーに限らず、ほかのことでも言えるだろう。

知っているけど行動していないのは、恐怖に負けているからなのだ。
※ちなみに、このことに気づかせてくれたのは、書籍「嫌われる勇気」。良書ですので、また一読もしたことのない方は、この機会にどうぞ。

嫌われる勇気

嫌われる勇気

 

 

 

セミナー中に意識すること

行動しない理由は分かった。続いては、セミナーを活かす方法について述べておこう。
セミナー中、メモを取る人がいる。できれば、内容はあまりメモしないでほしい。それよりも、「帰ってから実行すること」をメモしてほしい。

冒頭にも書いたが、一つでも実行すればセミナーにかけた費用はすぐにペイする。実行することは、一つ、多くても三つまでで十分だ。

どこかで聞いた話がある。「人にアドバイスを求められたときは、一つしか助言しない。それ以上助言するとその人は何もしなくなる」と。その通りだと思う。実行すべきことの数が多くなればなるほど、人は実行しなくなるものだ。

「帰ってから実行すること」がいくつもあれば、優先順位をつけて1番目から実行すればいい。そして、上位3つまでしかフォーカスしなくていい。それだけで随分と実行力が増すことになるだろう。

上記に付随した話だが、私がセミナー講師をする際、一枚の紙を受講者に配る。その紙には、「実行すること」という欄があり、「予め実行することをメモしてください」と受講者に伝えるようにしている。このように講師側も少し気を回すことで受講者の行動を促すことができるのだ。

知識は、脳内に飾っておくだけのコレクションではない。行動に移してこそ意味があるのだ。ぜひとも、行動にフォーカスして「恐怖」に負けず、知識を有効活用してもらいたい。