斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

ノウハウを無料公開するほど収益に繋がる3つの理由

私は、自身のノウハウをWEB上で無料公開して集客に活かしている。おそらく、私以外のコンサルタントも、WEB上にノウハウを公開して集客に繋げているはずだ。

ここでジレンマが生じる。
「ノウハウで飯を食っているのに、ノウハウを無料公開したら、おまんまの食い上げだ」と。この理屈も気持ちもよく解る。私も以前は、同じように考えていたからだ。しかし今は違う。たとえ、無料で公開するノウハウであっても、一切の妥協抜きで提供するようにしている。

現に、私が書くWEBコンテンツやブログ記事は、読者に役に立つようにと真剣に取り組んできている。365日配信しているメルマガも、「日本一、短くて役立つメルマガ」を目指して作ってきた。私の心意気が読者に届いているかどうかは別にして、そのつもりでノウハウを提供してきた。

なぜ私は、無料でノウハウを公開しているのか。
その理由はいたって単純だ。ノウハウを無料公開しても、自分は損をしない、むしろ得をすると気づいたからだ。3つ理由があるので説明しよう。

 

 

理由1 試し読みによる収益化

WEB上でノウハウを無料公開することが、おまんまの食い上げになると判断して、何も公開しなければ、それこそ、おまんまの食い上げになる。

これを説明するのに、書店での立ち読みを例に挙げたい。
誰しも、書店で立ち読みをした経験はあるはずだ。そして、参考になりそうだなと思えば、書籍を購入してじっくりと精読する。WEB上でノウハウを無料公開する行為は、これと同じである。まずは、自身のノウハウを知ってもらい、より詳しく知りたい、またはサービスを受けたいと思った人にお金を払ってもらう。そのためにも、ノウハウをWEB上で無料公開して試し読みしてもらうのだ。

「私のノウハウを無料公開するなんて嫌だ」と思う人もいるかもしれない。しかし、あなたがそれをしなければ、きっと同業者が似たようなノウハウを無料公開してお客をさらっていくだろう。

書店にあなたの書籍がなければ、読者はあなたのことを知る由もないように、WEB上でノウハウを公開しなければ、ネットユーザーはあなたを知る由もない。まずは露出する。同業者よりも多く。これは、集客の第一歩であると同時に、集客で最も大切な事柄でもある。

 

 

理由2 ノウハウとスキルの差異

ノウハウとは、「知れば誰でもできる情報」を指す。スキルとは、「修練を経て身に付けた技」を指す(私の定義では)。コンサルタント業やコーチング業などが、最終的に売っているものは、スキルだと私は考えている。

私は、コピーライティングのノウハウを無料、もしくは有料で教えている。これらを元に勉強した人は、飛躍的にコピーライティングに関する知識が増える。では、私レベルまで達するかと言うと、そんなことはない。スキルの壁があるからだ。
そのため、私のノウハウを学んだ人の中から一定数、電話相談や添削依頼が来る。私は経験と技術を活かして、アドバイスや添削をして料金を頂戴する。つまり、スキルを売っているわけだ。
残念ながら、ノウハウはお金で買えても、スキルはお金では買えない。ノウハウを無料公開するのは、スキルを売るための導線でもあるのだ。

ほかの表現でも喩えてみよう。
ノウハウは、料理で言うところの「レシピ」に当たる。素人と一流シェフが、レシピ通り料理をしても、完成した料理の味は当然異なる。これがスキルの差だ。ノウハウ(レシピ)があれば、ある程度のレベルには達するが、そこから上の領域に行くには、スキルが必要不可欠となる。そして、「そこから上」を望んだ人だけが、お金を払いスキルの恩恵を受けるのだ。レストランに行き、シェフの供応にあずかるのと同じように。

 

 

理由3 ノウハウのアップデート

私は5年間、WEBサイトやブログで、ノウハウや考え方を綴ってきた。しかし、持てるノウハウのすべてを書いてきたわけではない。何も、もったいぶって書かないわけではない。書ききれないのだ。時間と共に新しいノウハウが構築されるため、追いつかないでいる。
ノウハウだけを書いていればいいのだが、そうもいかない。依頼を受けた仕事をこなし、自己研鑚にも励まなくてはならない。そうこうしているうちに、新しいノウハウが構築される。つまり、公開速度よりも更新速度のほうが早いため、どうやってもノウハウすべてを公開しきれないのだ。

「ノウハウを無料公開していたら、お金にならない」という意見は、見方を変えれば、「持てるノウハウが枯渇してしまう」となる。つまりそれは、「アップデートしていない」の意であり、ただの怠慢である。

「Illustrator」や「Photoshop」などを提供しているAdobe社は、数年おきにソフトをアップデートして売り出している。ノウハウを提供する人もこれと同じでなければならない。今あるノウハウを出しきったら何も残らないでは困るのだ。毎年新しいノウハウを生み、改良して、アップデートし続ける。この循環に入れば、ノウハウは枯渇することはなく、品質は向上し続けることだろう。よって「ノウハウを無料公開していたら、お金にならない」などという不安は自然となくなる。
そして、WEB上でのコンテンツ(ノウハウ)は増え続け、集客にも寄与するはずだ。

 

 

まとめ

ノウハウの無料公開においては、「ノウハウで飯を食っているのに、ノウハウを無料公開したら、おまんまの食い上げだ」というジレンマが一見生じているように見える。しかし、実際はそうでもない。収益化の第一歩であり、また、スキルを売るための導線でもある。それに、ノウハウが枯渇してしまうようでは、どの道、長くその世界で生き残ることはできないだろう。公開速度を上回るほどの更新速度がなければ、いずれは、それができる競合に負けてしまうからだ。
公開が早いか、更新が早いか、その競争が自分自身を切磋琢磨させてくれる。