noteやsynapseでのコンテンツ販売はアリかナシか
ここ最近、note(ノート)が注目を集めている。
noteを知らない人のために説明すると、コラム、小説、マンガ、音楽、写真、ビデオといったコンテンツを、誰でも有料で販売できるプラットホームである。どちらかというと、クリエイターを対象にした趣がある。
私も2年前にアカウントを取得して、そのまま放置していた。公開されて間もなかったため、アカウントを有している人も少なく、つまらなかったからだ。それが今、再燃の兆しを見せている。
火付け役は、はあちゅう氏とイケダハヤト氏。共にブロガ―界隈では影響力のある人物だ。特にイケダハヤト氏はnoteの普及にご執心のようで、Twitter上で啓蒙する姿を何度も目にした。また、有料コンテンツを販売している人がいればRTして支援もしていた。そうした背景があり、noteが返り咲きし始めている(かも)。
啓蒙も兼ねてあえてツイートしてみると、今日もnoteの売上が5万円を超えました。昨日は約6万円。おとといは約4万円。その前も約4万円。外部媒体に原稿書くより、断然こっちの方が儲かります。何より自由度が高くて楽しい。
— イケハヤ@ブロガーズギルド (@IHayato) 2016年1月22日
SNS上での有料販売に必要なもの
noteのみならず、synapse(シナプス)という有料サロンも注目されている。
noteやsynapseに限らず、有料で何かを売れるSNSは今後も出てくるだろう。その中で販売者が稼げるようになるためには、新たな3C戦略が必要になってくる。
新たな3C戦略とは、「キャラクター×コンテンツ×コミュニティー」である。この中で基盤となるのはキャラクターだ。要は、「誰のコンテンツなのか」、「誰のコミュニティーなのか」が重要になってくる、というわけだ。これは有料無料問わずだ。なぜなら、SNSのアカウントは個に紐付けされるため、必然的に個(キャラ)が評価の対象となるからだ。
noteは、「キャラクター×コンテンツ」の要素が強いプラットホーム。Synapseは、「キャラクター×コミュニティー」の要素が強いプラットホーム。と私は見ている。
では、SNSにおけるキャラクターとは何なのか。それは「キャラ立ち×知名度」である。このかけ合わせで、キャラクター力の強弱が決まる。
いかに有益なコンテンツを作ろうとも、キャラクター力がなければコンテンツは売れない。どんなに秀逸なコンセプトを掲げたサロンを作ろうとも、キャラクター力がなければ人は集まらない。また、共通のファンの下に集まったほうがコミュニティーは活性化しやすい。コンテンツもコミュニティーも、キャラクターありきなのである。(ファンは、コンテンツに付くものではなく、キャラに付くものだからね)
SNS上でのコンテンツ販売は、稼げるのか?
結論から言うと、NOである。
SNSのプラットホームは、今も、そしてこれからも「TOP1%しか稼げない」という構造である。以下99%は、小遣い程度しか稼げないか、まったく稼げない。
はあちゅう氏やイケダハヤト氏が稼げているのは、ブログに数百万PV/月を集められ、TwitterやFacebookにも多くのファンがいるからである。そこからnoteに誘導して稼いでいるのだ。
キャラクター力のない人が「よし! 今からnoteとsynapseやろう」と思い立ち、懸命にコンテンツを作っても、まったく売れないだろう。
むしろチャンスなのは、イケダハヤト氏が言うように出版経験のある著者だろう。SNS限定のコンテンツやコミュニティーにお金を払うファンは一定数いるはず。「著者自身がファンクラブを立ち上げる」といったイメージのほうが分かりやすいだろうか。
だから、何度も言うけどプロの作家の人たちはnoteやった方がいいですよ。メディアの編集者も。ほんっとーに損してます。もったいないったらありゃしない。
— イケハヤ@ブロガーズギルド (@IHayato) 2016年1月22日
キャラクター力のある人は、SNS上でのコンテンツ販売はチャンスであり、キャラクター力のない人は、徒労に終わる。稼げる者と稼げない者との格差は今後も広がるだろう。
ちなみに、キャラクター力を高めるのは、そう簡単ではないし、コンテンツを売るのも生易しいものではない。このツイートがそれを物語っている。
今、肉食べて元気だから言いますが、私10年以上閲覧無料の記事をあらゆる場所で書いて、やっとここ数年文章にお金払ってもらえるようになり、月刊はあちゅうは30記事以上毎月書いて500円なのに、よくわかんない記事に500円とかつけてるにわか有料noteユーザーの記事絶対買いたくないです
— はあちゅう (@ha_chu) 2016年1月12日
有料コンテンツと情報商材の差
noteでコンテンツを売るのと、俗に言う情報商材を売るのとでは何が違うのか。細かい点を挙げたら色々あるのだが、特に大きいのは、価格設定である。noteは100~500円がメジャーだが、情報商材は1万円以上がメジャーだ。
SNSを介したコンテンツ販売は、「低価格×多販売」のモデルであり、情報商材は「高価格×少販売」のモデルになる。もちろん、上手くやれば「高価格×多販売」はどちらでも可能だろう。
どちらが稼げるかは、誰がするかにもよる。キャラクター力のある人なら、「低価格×多販売」が正道だろう。ただし、1万円以上取れるコンテンツが提供できるのであれば、同時にそれをしてもよい。やらない理由がない。
キャラクター力のない人は、アクセスが集まるWEBサイトを作り、成約率の高いLPへ誘導して情報商材を売るのが常道だろう。(具体的な方法は、アフィリエイタ―に聞いてね)。
変な話、情報商材は騙し売りができる。現にしてきた輩はいくらでもいる。しかし、SNSではそれができない。SNSの運営者は知名度が高いため、低劣なコンテンツを売れば、大切なキャラクター力を著しく落としてしまう。それに、有料コンテンツを売っているSNS上でも不満を直接書かれてしまう。キャラクター力のある人にとって、信用が落ちることは一番避けたいため、下手なコンテンツを売ってくることは、そうないだろう。
最後に
SNSでコンテンツやコミュニティーが売れるようになれたのなら、キャラクターとしては成功したと言えるだろう。クリエイターとしてピン(キャラ)で活躍していくつもりがあるならば、コンテンツやコミュニティーの販売ができるようになることを目指すといいだろう。