ブロガーがnoteで売っているお金儲け情報は、完全に情報商材
前回、noteの流行について記事を書いた。今回は、前回よりも抽象度を上げた視点で解説したい。
おさらいとして、今、ブロガー界隈でnoteが流行っている。火付け役は、イケダハヤト氏とはあちゅう氏。noteでコンテンツを売り、サロンへも勧誘している。
さて、この事象を抽象度を上げて見てみると、ある既視感を覚える。それは、情報商材の構造と瓜二つであることにだ。これについて、Twitterでも呟いたのでそちらを参照。
「noteで100万円稼いだ方法教えます⇨有料記事を買ってください⇨より詳しい情報や仲間を得たければサロンに入会してください」
— ふかい たかあき (@fukaitakaaki) February 6, 2016
「アフィリで100万円稼いだ方法教えます⇨情報商材を買ってください⇨より詳しい情報や仲間を得たければ塾に入会してください」
この既視感
情報商材がnoteになり、塾がサロンに代わった。時勢に合ったツールになっただけ。それ以上でも、それ以下でもない。
— ふかい たかあき (@fukaitakaaki) February 6, 2016
ただ、情報商材は、紙や塾など、多少アナログ色があったが、noteやサロンは、完全にデジタル。その分、単価が安くなった。
noteとsynapseの流行を見ていて思うことは、「歴史は繰り返す」ということ。
— ふかい たかあき (@fukaitakaaki) February 6, 2016
エッセイや小説なら話は別だが、ブロガーが自身の経験をもとに「役立つコンテンツ(ノウハウ系)」を販売するのなら、それはもう俗に言う情報商材である。イケダハヤト氏がnoteで売っているものは、情報商材そのものである。
ちなみに、こっちは累計130万円くらい売れてます。随時アップデートしていく教科書です。/「ブログで稼ぐ」主要な方法を、月商300万稼ぐプロブロガーが丁寧に解説します。(随時更新) | イケダハヤト | note https://t.co/MqCpgk7WTn
— イケハヤ@ブロガーズギルド (@IHayato) February 6, 2016
情報商材を売ること自体は悪いわけではない。ただ問題は、noteはそもそも規約上、情報商材の販売を禁止している点だ。
これについて、問い合わせた人がいる。
結論として、イケダハヤト氏の売っている情報は「情報商材には当たらない」とのこと。正直言って、無理筋だと思う。だが、この問い合わせはファインプレーである。なぜなら、ファウルの境界線を引いたことになるからだ。つまり、運営側から「ここまでのやり方(売り方)なら看過しますよ」の言質を取ったのだ。
アニメ『スラムダンク』でも、湘北vs陵南の試合中に牧伸一が言ったセリフ。
審判は今、フエを吹かなかった。ファウルじゃないとな。つまり、あれくらいのあたりなら、これからずっと審判はファウルをとれない。今のをとらなかったんだからな。これで魚住はチャージングの境界線を引いたんだ。
と同じ。
もし、誰かがnoteでのお金儲けに関する情報商材を売ったとして、運営側からIDを凍結された際、「なぜ俺がダメで、イケダハヤト氏はいいのか」という話になる。不明瞭な態度を取れば、信用を落とすだろう。運営側も、トップブロガーが突然利用し始めて、戸惑っているに違いない。この際、情報商材も許容範囲に収めたほうがいいとは思うが……。
もう一つ所見を述べれば、偶然か意図してかはわからないが、イケダハヤト氏が「noteでの稼ぎ方」を売っているのは、戦略的に正しい。前回の記事に詳しく記述したが、情報商材は本来、書籍とはマーケットを被らせないことが重要である。noteでの稼ぎ方を説いた書籍はまだないため、売れる条件を満たしている。(2018年7月に発売されました)
今後どのような進展があるのか、最後まで見届けたいと思う。
追記(本音)
今まで述べてきたのは建前。ここからは、本音を述べる。
正直言って、今回の一件には辟易している。これについて、ツイートにも吐露したので、そちらを見てほしい。
noteは作品も売れるプラットホームだと、私は認識している。小説やエッセイは作品と称してもいいだろう。だがね、「金儲け情報」は、作品でもなければ、アートでもないんだよ。いち商品に過ぎない。「金儲けノウハウ」をアートと称し、作品を売る場所で販売することを、私は解せないと感じている。
— ふかい たかあき (@fukaitakaaki) February 8, 2016
未だかつて、情報商材を「作品」と称して販売している輩を見たことがない。厚顔無恥と言われてきたイケダハヤト氏だが、その一端を垣間見た気がする。彼のコンテンツが有益であっても、決して作品やアートではない。最近、犯罪行為ですらアートと称する馬鹿もいて、アートの品位が著しく下がっている。
— ふかい たかあき (@fukaitakaaki) February 8, 2016
何が悲しいかと言うと、クリエイターを応援する場であったはずのnoteが、情報商材を作品(アート)と認めた点だ。これは、作品(アート)への侮辱とも言えるし、応援どころか衰退を助長している。数十万、数百万円ほどの札束でビンタされたぐらいで方針を貫徹できない様が、何よりも嘆かわしい。
— ふかい たかあき (@fukaitakaaki) February 8, 2016
noteのようなサービス(仕組み)があれば、早晩、イケダハヤト氏のように情報商材を売ろうとする輩は一定数出てくる。それは仕方がない。それを除けるために規約があり、監視するために運営がいる。情報商材を作品と称して売るイケダハヤト氏も大概だが、それを看過した運営側には心底ガッカリした。
私は「嫌儲」でこんなことを思っている訳ではない。私は“節操のない金儲け”が嫌なのだ。今回の件は、まさにそれに当たる。noteは、情報商材を売る場ではないはずだ。それをしたイケダハヤト氏も看過した運営側も「節操がない」と私は思う。
※「節操」の意味→節義を堅く守って変えないこと。自分の信じる主義・主張などを守りとおすこと(goo辞典)
以上
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