斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

クラウドソーシングがもたらしたのは、「働き方革命」ではなく「働き方崩壊」だった

「クラウドソーシングは、働き方革命を起こす」などと言われて久しいが、現実は全くの逆だった。最低賃金以下で働くのが関の山だ。

事の発端は、このツイートから始まった。

 

20万円以上を稼いでるのは80万人中たったの111人(全体の0.0138%)。予想を遥かに下回る数字だ。仲介会社(クラウドワークス)を通さず直接やり取りする人もいるとして(違反だけど)、データに反映されていない数もあるだろう。仮にそうだとして、アメブロのアクセス解析ばりに10倍盛ったとしても、20万円以上稼げている人は1,110人にしかならない。0.0138%が0.138%になったところでなんだ。1%の人もまともに生活できないものを「働き方革命」などと呼ばない。「働き方崩壊」が適切だろう。

「会社に勤められない人、つまり収入ゼロだった人が、数万円でも稼げるようになったのなら、それでいいではないか」と反論する人もいるだろう。現にそう反論している人もいる。

 

本文を一部引用

本来、収入がゼロだったところを、月に5万円でも「自分の力で稼げる」という選択肢が生まれたわけじゃん。

5万円あれば、どれだけ助かることか。
で、「月に5万円じゃイヤだ!」というのであれば、簡単な話、利用しなきゃいいんだよ。

 

確かに、この見解は正しい。

だが一つ、見落としている点がある。
そもそも、なぜ多くの人が先に紹介したデータに驚愕したのかという点だ。その理由は、希望を持っていたからにほかならない。クラウドソーシングは、「会社に属さなくても十分に稼げる新しい働き方」として注目され、期待された。しかし今回のデータは、その期待を大きく裏切るものだった。はじめから、「新しい副業の形」程度の認識だったら、これほど話題(衝撃)にもならなかっただろうに。


今の話にちなんだブログ記事を紹介したい。

 

タイトルには、「クラウドワークスはエンジニアを幸せにはしなかった」とある。この「幸せにはしなかった」の言葉は、「幸せになれる(してくれる)」という期待があったことを表している。彼のように、クラウドソーシングに期待や希望を見出した人は多くいたはずだ。しかし、待っていたのは残酷な現実だった。

ブログ記事のコメントを一部引用する。

今までクラウドワークスで請けてきた案件を時給換算したら、最低時給を下回るのは当たり前で、中には「3桁円にすら達しない」「そもそも報酬自体が貰えないこと」すら普通にあった。

 

なぜクラウドワークスでの単価は安いのか。一因として、そもそも人は誰しもコストは削減したいという欲望がある。そして、不特定多数から依頼する候補者を選べるとしたらそりゃ値踏みするだろう。俺たちだって通販で物を買うときはAmazon、楽天、ヨドバシ、その他多数の通販サイトを比較する訳だから、それ自体は仕方ないと言える。

 

「副業としてはあまりにも仕事量が多く、本業としてあまりにも単価が低すぎる」というどうしようもない仕事。クラウドワークスとはそんな案件の見本市だ。

 

簡潔に述べよう。クラウドワークスとは「クズが発注してバカが請けるサイト」だ。あなたがバカなエンジニアではない限り、利用するべきではない。

 

誰が悪い、何が悪いと批判したい訳ではない。ただ、私たちは認識を改めなければいけない。クラウドソーシングは、働き方に福音をもたらさなかった。もたらしたのは、熾烈な価格競争の果ての安価な仕事だ。

以上の現状を踏まえて、私たちはクライドソーシングの利用法を考えなければならない。私の見解は、「クラウドソーシングを利用するなら発注者側に回れ」「受注者に回るなら実績作りと割り切れ」だ。

あなたはどんな見解を持っただろうか。

 

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