斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

パチンコ狂いの人間よりも自分は利口だと言い切れるのか?

「きっとオツムが弱いんだろうな」
パチンコにうつつを抜かしている人を見ていると、ついそう思ってしまう。

勝っただの負けただのと騒いでいる暇があるのなら、バイトに充てたほうが堅実に稼げるし、勉強に充てれば将来の収入となって返ってくるかもしれないのに。

何より、パチンコ屋が成り立っている構造を見れば、自分は搾取されているのだと気づくはずだ。こんな簡単なことに頭が回らないようでは、「オツムが弱い」と言わざるを得ない。

そう。構造に頭が回れば、いかに愚かしいことをしているかに気づくはずだ。

利口な経済人は、無駄なお金は使わない。できるだけ安く、お得になるよう時間とお金を使う。

大きな長財布をパンパンに膨らませている主婦は多い。
小銭ではない、お札でもない。何十枚ものポイントカードや会員カードが入っているのだ。買い物をする際、いくらか安くなったり、何かもらえたりする。

パチンコ狂と比べたら、ずっと賢明な経済人と言えよう。

本当に?

そもそも、なぜ企業はポイントカードを発行しているのだろうか? 企業が儲かるからにほかならない。ポイントカードを配ることにより、リピート率が向上したり、客単価が向上したりする。商品が一つ多く売れていくのだ。

あなたは、たいして欲しくもない商品を「安くなるから」といった理由で購入した経験はないだろうか。ポイントが貯まるからと、足繁くお店に通った経験はないだろうか。結局、無駄な買い物をさせられているにすぎない。

パチンコ狂と同様、構造が見えていない。

ポイントカードも現金を持たず、クレジットカードだけで買い物をする。これが最もスマートな経済人と言えよう。

本当に?

行動経済学者の実験では、クレジットカードは現金よりも支出が増えることがわかっている。現金を使わないため、支払う痛みが麻痺するからだ。加えて、支払いが翌月に持ち越すのも痛みの軽減につながっている。オークションを用いた実験では、カードのほうが現金よりも平均2倍多く入札された。

他方、精神科医のデビッド・クルーガー博士の著書『「お金」のシークレット』(三笠書房)でも、クレジットカードを使うことにより、現金よりも平均23%もの支出が増えるという。

カードは確かに便利でスマートだ。しかし、金銭感覚が狂ってしまう。
リボ払いを利用したり、キャッシングを利用したりと、身を滅ぼす人が後を絶たない。

パチンコ屋で無為に時間とお金を潰す人間、無駄な出費を続けている人間、構造に気づいていない点からしたら、等しく同じレベルなのかも知れない。

あなたは、パチンコ狂を笑えるのだろうか。

 

 

関連書籍

 

 

 

関連記事

fukaihanashi.hatenablog.com