斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

理解が深まり記憶にも残る、読書ノートの書き方

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私はノート術オタクである。
さまざまなノート術を調べたり、実践したり、開発したりしてきた。
そんな中、ノート術は7つの種類に分けられると知った。

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ノート術を探求してきて至った結論がある。
それは、読書ノートは万人にオススメできるノート術である、ということ。特にハウツー本や学術本にはうってつけだ。理解が深まり、記憶にも残る。読書ノートこそ最強の読書術と言える。

では、どのように読書ノートを書いていけばいいのか。解説していこう。

 

 

 

読書ノートの書き方

読書ノートの書き方を説明する前に、まず読書のやり方について触れておきたい。
当たり前だが、読書ノートを取る前に読書をしていなければならない。

読書中、自分が重要だなと思った箇所に線を引けばいい。それだけ。何か気づいたことがあれば本にメモをしてもいいが、基本は線を引くだけでいい。

本を読み終えたら、線を引いた箇所の周辺をもう二度は読み返して欲しい。一度目は読み終えた翌日。二度目は一週間後。二度読み返すのは、そのほうが見落としている重要部分に気づけるからだ。私の経験上、線を引いた箇所の近くに、まだ線を引くべき箇所があることが多い。


これを終えたら、読書ノートを書いていく。

手順は以下の通りだ。

  1. 著書名を書く
  2. 線を引いた箇所を自分の言葉にして書く
  3. 気づきや感想を区別できるように書く

一つずつ説明する。

 

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実際に私が書いたノート

 

1.著書名を書く

どの本をまとめたのか分かるように著書名は記しておこう。著者名はあってもなくてもどちらでもいい。大した手間ではないので記しておいていいだろう。

 

2.線を引いた箇所を自分の言葉にして書く

読書ノートの最大のコツは、線を引いた部分を自分なりの言葉に言い変えてノートに書くことだ。言い換えれば、そのまま「書き写す」のではなく、自分の言葉に変えて「書き移す」。これには2つの理由がある。

一つは、そのまま書き写すのは大変だから。やれば分かるが、書き写すのは思いのほか時間がかかる。何でもそうだが、労力がかかるほどしなくなる。自分の言葉で短くまとめれば、労力が少なくて済む。

もう一つは、自分なりの言葉に言い換えることで理解が深まるらだ。線を引いた箇所をそのまま「書き写す」作業は、頭を使わなくてもできる。しかし、「書き移す」は違う。言い換えは、自分なりに理解しなければ、自分なりの言葉に替えることはできない。こうして出てきた言葉をノートに綴るからこそ、意味がある。

これは、勉強ノートにも通じる。
ただ板書しているだけのノートに学習効果はない。考えながら書いたノートにこそ学習効果がある。ノートを書く時は、「考える」とセットだ。考えないノートに意味はない。

 

3. 気づきや感想を区別できるように書く

ノートに綴った言葉の近くに、自分が気づいた点や感想を書き加えてもいい。ただし、それが本の内容なのか、自分の感想なのかの区別がつくように書いてほしい。ペンの色を変えてもいいし、吹き出しで囲ってもいいし、矢印を使ってもいい。なんでもいい。区別さえできればそれでいい。

 

+αできればしてほしいこと

さらに記憶と理解を促すために、アウトプットを推奨したい。
具体的には、SNSやブログに本の内容と感想を発信するのだ。人に教えるように。ご存じの人も多いと思うが、最も記憶に定着する方法は、「人に教える」である。

ノートを片手に人に教えるのもいいが、それに付き合ってくれる友人を持っている人はそんなに多くないはず。そこで、少し手間はかかるがSNSで発信する。さらに発展させて、専門ブログやサイトを作ってもいい。あなたを専門家へと導いてくれる。

関連記事:専門家として認知されたければ、専門サイトを作りなさい

 

 

誤解だらけの読書ノート

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ここでは、ほかで教えられている間違った読書ノートの書き方について解説していく。
全部で5つある。

 

  1. ページ数は書かなくてもいい
  2. 読書感想文ノートにしない
  3. 要約(まとめ)ノートにしない
  4. 本を読みながらノートを書かない
  5. きれいに書かない

一つずつ説明する。

 

1.ページ数は書かなくてもいい

そのまま書き写す読書ノートなら、どのページを書き写したかを書いておく必要があるだろう。だが、書いてある言葉を自分の言葉で書き直す私の読書ノートでは、ページ数を書く必要はあまりない。読書ノートは、記録ノートではない。無駄なことに時間をかけなくていい。

 

2.読書感想文ノートにしない

読書ノートは、本から学ぶためにある。感想を書くためにあるのではない。感想がメインになるなら、それはもう読書感想文ノートだ。別にそれが悪いというわけではない。感想を書きたければ、感想用のノートを用意して書けばいい。

 

3.要約(まとめ)ノートにしない

本を要約してはいけない。
YouTubeでは、本要約チャンネルが流行っているが、あの形式のように各章を要約してノートを作らなくていい。第三者に本を紹介するためのノートならそれでもいいが、ノートを読むのはあなた一人だ。あなたにとって必要・重要だと思った箇所だけをノートに書き移せばいい。

 

4.本を読みながらノートを書かない

「本を読みながら、その都度重要だと思った箇所をノートに書き留めれば効率がよい」
そう思ったあなた、実に頭がよい。だが、一見効率的に見えるが、実は効率も効果も悪いやり方だ。

まず、全体を読んでからじゃないと理解できない、理解が浅くなる一文があったりする。次に、読んだり書いたりを切り替えるのは、手間がかかるため効率的とは言えない。最後に、ノートを取るために、あえてまた読み返すことに意味がある。何度も本に触れることで理解が深まるのだ。

 

5.きれいに書かない

読書ノートは、読み返した時に理解できればいい、きれいに書く必要はない。
特に読書ノートを外に公開している人は気をつけてほしい。

たとえば、Instagramに読書ノートを載せている人は、見た目をよくしようとノートをきれいに書こうとしてしまう。時間の無駄だから止めたほうがいい。そんな暇があったら、一冊でも多く本を読んだり、読書ノートを書いたりしたほうがためになる。


以上が、私が実践して、オススメできる読書ノートの書き方だ。

 

 

 

[おまけ]
まだまだある読書ノートのメリット

読書ノートを書けば、記憶に残り、理解が促されると話をした。ほかにもメリットが2つある。

一つは、本を捨てられるようになる。
ノートにまとめれば、その本は捨てやすくなる。内容について思い出したければノートにアクセスすればいいからだ。私はこれまで1万冊以上の本を読んできたが、手元に残っているのは200冊もない。もし読書ノートを書いていなければ、蔵書はもっと多かったに違いない。ミニマリストにはお勧めだ。

もう一つは、点と点が線になる。
情報は一箇所にまとめると化学反応を起こしやすい。数十冊の情報が一冊のノートにまとめているため、「A本の話とB本の話はリンクするな」と気づきやすくなる。これが本と本だと距離がありすぎて反応が起こらない。知識だけではなく、知識からアイディアや発見を得るためにも読書ノートは書いたほうがいい。

以上が、読書ノートの書き方だ。

 

 

 

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