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斜め45度からの理説

どこにも転がっていない理論や方法論を語ります。

頻繁かつ顕著に表れるバイアスと回避方法

理論・方法論

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人は、自身の持つ思い込みや先入観により、情報を間違って解釈したり、偏った情報だけを見て、さらに思い込みを強固にしてしまう。その結果、客観的に物事を見ることができなくなり、事実誤認や偏見を有した意見を述べるようになる。こうした事実誤認や偏見をもたらす思い込みや先入観を「バイアス」と呼ぶ。

客観的かつ冷静に情報を正しく認識し、可能な限りバイアスを省くには、バイアスを知ることだ。今回、種々あるバイアスの中から3種類を紹介する。この3種類のバイアスは、日常、頻繁かつ顕著に表れるバイアスであるため覚えておくといいだろう。

 

 

1. 確証バイアス

自分が欲するように世界を理解しようとする態度を指す。結論がすでに決まっていて、その結論に沿った情報を集めようとしている行為はまさにそれである。たとえば、同じ政治思想を持った人だけをフォローして都合のよい情報だけに浸る。これもよく目にする確証バイアスの例だ。

確証バイアスに陥ると、都合の悪い情報は無視し、または目に入らないようにし、たとえ目にはったとしても信じようとしない。反論者に対して、真意や情報を邪推したりし、人間性の欠点を探そうとしてしまう。この状態に陥ると、他人の気持ちや立場に立って考えることができなくなる。

確証バイアスを回避するには、結論に沿わない情報にも目を配り、意見の違う相手はどんな世界が見えているのかを知ろうとする努力が必要となる。

 

 

2. 生存バイアス

ある特定分野の一部の生存者(成功者)を挙げて評価する態度を指す。少数派である自身の成功、または他人の成功を例に他人に押しつける行為はまさにそれである。。たとえ、今回優勝を逃した9,999人が夢を諦めなかったとしても、99.9%は挫折することは自明である(20代のうちにしか応募できない年一度のオーディションだから)。しかし、成功者自身も夢を追う人も、何の疑いもなくその言葉を信じてしまう。これが生存バイアスだ。

世の中は成功者(生存者)にだけ発言が許されているため、脱落者の意見は表に出てくることは少ない。そのため、少数(生存者)の意見が多数(脱落者)の意見よりも多くなるという奇怪な現象が起きる。成功本やビジネス書、広告の体験談などはまさにそれだ。

生存バイアスを回避するには、数字で考え、統計データを見ることだ。状況も精神力も人によって各々違う。生存者の理屈を押しつける世界は、弱者から居場所を奪い、息苦しい世界をつくる。

 

 

3. 感情バイアス

自分にとって快な情報は受け入れ、不快な情報は受け入れない態度を指す。「なんとなく恐いから反対」「容姿に好感が持てるから一票入れる」などといった行為はまさにそれだ。たとえば、「愛される女性5つの特徴」といった記事があったとする。自身の特徴と当て嵌まり良い気分になったら「良い記事です」とシェアする。当て嵌まらなかったら「何この記事」と不満を添えてシェアして批判コメントを誘う。こうした行為の背景には、感情バイアスが働いていると思っていい。

「好き/嫌い」といった感情は、本能に根ざしているため常に判断に影響を与えている。大抵の場合それでも構わないが、重要な決定を下す際、個人の感情を優先したため好からぬ結末を招く場合もある。

感情バイアスを回避するには、感情と理屈を分けて考える必要がある。だが、言うは易く行うは難し。人は感情の生き物であるため、冷静に考えたつもりでも、現下の感情に左右されがちだ。だが、間違った判断をしたため、短期的にはよくても長期的に不快を招くと分かれば回避できるようになる。要は、「目先の快や不快 < 長期的な快や不快」の視座に立つことが大切だ。

 

 

まとめ

バイアスは、人間だれしもが備わっている機能である。バイアスは決して悪いものではない。たとえば、「刺青をしている人は危険」という認識はもしかしたら過度なバイアスかもしれないが、そのお陰で身を守れていることだってある。大切なのは、客観的に自分を見て「これは、バイアスがかかっているな」と認識できることである。

冒頭に「この3種類のバイアスは、日常最も頻繁かつ顕著に表れるバイアスである」と書いたが、これも根拠がないためバイアスによる記述である。このように、自分の言動もバイアスだと認識できていることが大切だ。自身について認識であれば、他人はさらに容易である。

 

 

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